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野菜づくりをしていると、さまざまな問題が起こりますよね。
普段より野菜の生育が悪かったり、作物が思うように採れなくて悩んだことはありませんか?
もしかしたら、その原因は土にあるかもしれません。
今回は、畑の土について考えてみたいと思います。
土の役割や性質を知ることで、もっと野菜づくりが楽しくなりますよ。
野菜にとって良い土とは
野菜にとって良い土とは、何でしょうか。次のような特徴があると言われています。
- 水はけ・水持ちがよく、通気性がある
- 土の酸性・アルカリ性と栄養のバランスがちょうどいい
- 多様な微生物がたくさんいる
このような土は、一般的に「団粒構造」と呼ばれています。
団粒構造の土は、黒くてフカフカしています。
どうしてそうなるのでしょうか。
順に詳しく説明していきます。
畑に向いている土とは
野菜づくりの主役といってもいいくらい、土は畑の作物にとって重要な役割を持っています。
植物は土の中でしっかり根を張り、十分に水や養分を吸って、呼吸し大きくなります。
土の中には、空気、水、養分がバランスよく備わっていることが大事です。
畑の作物にとって良い土の条件は、3つあげられます。
- 土の構造 :土層が厚くて柔かく、保水力と排水性のバランスがよい。
- 土の養分 :作物の生育に必要な養分と酸度が適度にある。
- 土の微生物:土の中に有機物が豊富で、微生物が活発である。
理想の土「団粒構造」とは
団粒構造とは、土の粒や養分、微生物とが団子状になってくっついたものです。
空気と水のバランスがよく、適度なすき間もできるので、保水力や排水性に優れています。
このような土は、黒くてフカフカしているので、作物が根をしっかり張りやすいのです。
一方、土の粒がつまった状態の土は、水はけが悪くなり、多くの作物にとって生育が難しい状態になります。
土が固いので、植物が根を張りにくいのです。
畑の土を触ってみよう
畑の土をさわることで、土の様子を調べることができます。
土の色はどんな色? 触った感じは? 何かニオイがする?
土の色を見る
土の色により、土の中に含まれる有機物と鉄の含有量が分かります。
黒い土ほど有機物が多く含まれており、すべてのバランスが整ったまさに団粒構造の土ということになります。
土の色 | 有機物 | 鉄分 | 保水力 | 排水性 |
黒 | ||||
赤 | ||||
白 | ||||
グレー |
土の感触
手で触ることで、土の性質が分かります。
土を水で湿らせてから、ぐっと握ってみましょう。
感触からわかる土の性質
- さらさらしていて握れない → 砂質の土(水はけが良い)
- 鉛筆くらいの太さにできる → 普通の土(団粒構造の土)
- ぬるぬるしていて細くできる → 粘土質の土(水持ちが良い)
土の性質と向いている野菜
団粒構造を持つ普通の土であれば、どんな野菜でも育てることができます。
他の性質の土でも、栽培に向いている野菜がありますので、以下の表を参考にしてみてください。
土の性質 | 代表的な野菜 |
砂質の土 | ネギ、タマネギ、ダイコン、サツマイモ、ジャガイモ |
普通の土 | ほぼすべての野菜 |
粘土質の土 | サトイモ、ショウガ、ラッキョウ、マコモ、クロマメ |
土のにおい
土のにおいを嗅ぐことでも、土の状態がわかります。
土のにおいは、土の中の微生物から発生しています。
いわゆる独特の土のにおいがするのは、微生物が豊富な良い土ということです。
また、腐ったようなにおいがしたり、カビ臭い場合は、土の中の水はけが悪い状態です。
このような土は、耕して空気を入れることで、有機物の分解を進めるようにします。
土の養分と酸度
土には窒素やカリウム、リン酸、硝酸などの養分が水の中に含まれています。
この水を吸収することで、植物が生育します。
土は、この養分が水と一緒に流れ出ないようにする貯蔵庫の役割もあるので、水はけの悪い粘土質の土は、養分の多い肥もちの良い土とも言えるのです。
これもバランスが大事なので、養分が多すぎると、植物の生育が悪くなってしまいます。
また、土の中の養分は、作物に吸収してもらわないと意味がありません。
その吸収率に関わってくるのが、土の中の酸度(pH値)です。
- 土の中の酸度(pH値)とは?
- 酸度を簡単にいうと、土が酸性(pH7未満)かアルカリ性(pH7以上)を示しています。
多くの野菜に適しているpH値は、弱酸性(pH5.5〜6.5)と言われています。
pH値の測定方法
pH値の測定方法には、試薬を使った測定キットなどもありますが、直接土に挿して測れる土壌酸度計もおすすめです。
手軽に入手できますので、畑の土を調べてみるのもよいでしょう。
野菜に適したpH値の一覧
それぞれの野菜には、好みのpH値があります。
以下の表にまとめたので、参考にしてみてください。
(注:地域や環境によって異なりますので、表記は参考値です)
多様な土壌生物が良い土を作る
野菜に適している団粒構造の土は、黒くてフカフカしています。
このフカフカしているのは、土の粒子の間に水や空気が含まれているからなのですが、その土をくっつける役割をしているのが土壌微生物です。
土の中の有機物を食べて分解し、土をくっつける素材となる糊上の粘着物質を吐き出します。
土壌微生物は糸状菌などの菌類のことで、ミミズなどは土壌動物と言われ、大きな有機物を分解してくれるのに役立っています。
- 土壌微生物:藻類、糸状菌、放射菌、細菌
- 土壌動物 :ミミズ、トビムシ、ダニ、センチュウ
ミミズは畑のスーパーヒーロー
ここで、ミミズについて少しお話ししたいと思います。
ミミズもフカフカした土を、作ってくれます。
コンポストにミミズを入れて、堆肥づくりに活用しているのを聞いたことがあるでしょうか?
ミミズは、落ち葉などの破片を食べるときに一緒に土も食べます。
その結果、ミミズの排出物は有機質の粒子と土の粒子が混ぜ合わされた「団粒構造の土」になります。
さらに、ミミズの腸管がpH6程度に保たれています。
そのため、排出された土は「弱酸性」で、 ミミズの排出物には「リン」が、体表の粘液には「窒素」が含まれます。
働き者のミミズが畑にいてくれると、作物にとって良い土になりますね。
まとめ
畑に向いている土について、イメージがつかめたでしょうか。
黒くてフカフカしている団粒構造の土ですよね。
みなさんの畑の土はどうでしょうか、ぜひ調べてみてください。
土の健康バランスが整っていると、病虫害の発生も少なく、肥料もあまり必要がなくなります。
連作障害の要因になるセンチュウも、微生物を食べて土壌のバランスの均衡を保つ重要な土壌動物です。
土の中のバランスが崩れ、センチュウが増えすぎることが問題なのです。
すべてはバランスが大事ということです。
そして、そのバランスがとれた状態の土が団粒構造の土なのです。
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